アプリメディア側から見てわかったゲームメーカー毎の広告の出し方の特徴

どうもイマ&ムラです。

 

一応長いこと、と言っていいと思うけどスマートフォンが発売され、アプリストアが一般的になり(iPhoneAndroid以降話ね、ごめんやけどWindows Mobileは含まないよ…)、それらを紹介するメディアをやってきて数年、ほぼApp Store開始時期に近い時代から関わり続けてきました。

 

アプリストアでのアプリのダウンロード数は、単純にストアで探されて落とされるだけでなく、我々の様なメディアに紹介されて落とされることも少なくありません。

 

むしろ初期はこういったサイトが頼りであり(今ではその影響力は見る影もありませんが…)、そこに目をつけた広告会社がアプリメーカーを広告主として設定したURLを通じてDLすることで広告費を払う、所謂CPI(Cost Per Install)型のアフィリエイトが登場しました。

 

メディアとしてはそういったCPI広告を掲載することで収益をあげて来たわけです。

 

つまり私もそれらを長いこと見続けてきたわけです。

 

そこで気づいたのが「ゲームメーカー毎に広告の出し方のクセがあるな」ということ。

 

広告会社(ASP)の管理画面には、広告を出しているアプリが並んでいるわけですが、上限数があったり期間によって出たり消えたりするんですね。その出方がメーカーによって結構違いがあるんじゃないかと感じました。

 

今回は別に何に役立つわけではありませんが、自分が気づいたそこら辺の出した方のクセをゲームメーカー別に書いてみたいと思います。ちなみにあくまで私の私見丸出しの"広告を出されているものを見た感じ"のお話なので、実際にメーカーがどうやっているか・これがメーカーとしての真実かは不明丸出しです。

 

セガ

ゲームメーカーの雄の1つでありかつてはハードも手がけた最大手ですが、なぜセガを最初に出したかというと、所謂コンシューマーから続く大手メーカーの中ではセガが最もCPI広告の扱いを手がける速度が早く、また使い方も細かいからです。

 

セガの広告の出し方は、一言でいうと"最も早く最も最適化されている"です。おそらく広告を出すにあたってIT業界での広告の出しかたを相当勉強したのだと思います。

 

ちなみにIT業界での広告の出し方はかつての紙媒体やTV、街頭などとまったく違い独自の世界です。

 

逆に自分はそういった紙媒体やTVなどの広告の世界をまっっったく知らないのですが、まあほぼ電通とか博報堂とかなんでしょ?(※適当)。逆にIT業界ではインターネットの普及に際して、そういった昔から続く広告業界の存在を見て、若い(当時)人たちが新しいインターネットという場所での既得権益を得ようと我先にと始めた世界なので同じ広告といっても別と思っています。

 

まぁ自分はアプリメディアにいますが、最初は広告とはアホほど興味がなくてとにかく記事を書きたい!ゲームしたい!メーカーに取材したい!とだけ始めた人間なのでIT側でもそこまでどっぷりではないのですが、まぁ途中からは責任者になったり、会社が消滅して自分で生計をたてたりせにゃならんくなったので、必要に応じて知っている感じくらいです。

 

話が逸れましたがが、セガセガスマートフォンアプリ参入自体も他大手と比べれば早く、色々と模索も多くしているメーカーです。

 

そのため、広告会社に広告を出す際も、まずアプリリリース時に出して、その後もゲーム内の大型イベントや話題になるタイミング、ゲーム自体の動きが鈍るタイミングなど、出すべき間隔でしっかり広告を出してきます。

 

超大手企業ゆえ承認に時間がかかるのかわかりませんが、リリースも完全一致ではなく広告が1日遅れたりして、若干歯がゆい場合もあるのですが(ゲームメーカー然とした会社ではなくガラケー時代からのIT会社上がりの若手メーカーはもっと素早い)、それでも他よりかは手堅く出してきます。

 

おそらくしっかりとWeb系の広告担当者が居て、分析や調整などをしてると思われます。

 

スクウェア・エニックス

 

お次はゲーム業界の巨人、ハードを手がけないサードパーティとしては国内最巨人といっていいスクエニ

 

スクエニは、リリース時はほぼ出さないけど、自然流入が落ち着いてきたタイミングで広告を出すのが基本。その後は、さらに恒常的に出し続けるという感じですね。

 

リリース時に出さないのは、おそらくメーカーとしてのネームバリューがデカいため、広告費かけて広告を出さなくても自社の発表である程度人を集められるという自負な気がします。

 

さらに、そのまま行けるのであればそのまま行きたい、というのが本音ではないでしょうか。まぁ広告費かけずに自社の告知だけで人を集め続けられればそれが一番いいですからね。

 

とはいえ、それでもやはりある程度時間が経ってしまえば、同じリソースから集められう人というのは上限があるため、広告をだしてきます。

 

一度ではじめると長いのがスクエニの特徴でもありまして、おそらく最初に決めてしまう広告費がデカいのか、基本的にASPの管理画面には一度でたらしばらくは出っぱなしです。

 

例えば1つのアプリではじめて広告を出したタイミングで一度火がついて、一瞬で広告が履けた場合は再度時間を置きます。それでまたしばらくたったタイミングでドバっとだして、なくなったら…という流れ。

 

広告を出し直すたびに捌ける数は減っていくので、最終的には捌けきらない広告がしばらくASPに出続ける、という感じ。

 

おそらく、あんまり小まめに管理しないんでしょうね。まとめて広告費を確保したらその分が捌けるまでだして、終わったらまたちょっと時間を置いて出して、という流れかと。

 

大企業ですし、1つ1つのわざわざある程度自動化できる広告の管理に張り付いてやるリソースがもったいないというのはわかる気がします。大手らしい感じです。

 

広告担当がWeb専任じゃなくてほかも手がけていて、あくまでCPI広告も1つの手段という感じなのかなと。

 

バンダイナムコ

 

お次はバンナムさん。バンダイナムコはですね、実は今回の記事はここのやり方が他と比べて特殊だと言いたいがために書いたくらい特徴的です。

 

なぜならほぼCPI広告は出さないから。

 

で、なぜ出さないのかというと、おそらくですが出す必要が無いんですね。

 

なぜならバンナムが扱うアプリはほぼIP商品なんですよ。つまりマンガのアニメ化したそこからの派生作品だったりがほとんど(細かい話ですがマンガ自体ではなく、あくまでアニメ化からの派生です。マンガから直接アプリ化する場合は出版社が出します)。

 

そうするとですね、基本的にファン向けなので別にわざわざレビューなどを行うCPI広告を出す必要が無いんです。自社で告知だけしておけば熱心なファンは勝手にDLしてあわよくば広めてくれますからね。

 

ただ、CPIではなくバナー広告はだします。つまりわざわざレビューとか記事化をしてもらう必要は無くて一枚絵がWebに出てくればOKなんです。そこに入る情報だけで十分。なぜなら基本的にはキャラ物でファン向けだから。

 

これはメーカーとしては強いです。他と比べれば圧倒的に楽にファン側から来るスタイルなので。版権ってスゲーなって思います。また逆にウチらのようなメディア側からすれば人気出るアプリなんだからCPI広告だしてよ…!って気持ちでいっぱいです。

 

 

カプコン

 

カプコンもあんまりCPI広告は出しません。ただここはバンナムと違ってアプリ自体が有料のものが多くそちらに力を入れているということが多そうです。

 

CPI広告は一応有料アプリでも展開はできますが、相性はだいぶ悪く基本的に無料アプリでしか展開されません。

 

あと、コンシューマー機ゲームの移植やスピンオフなども多いですし、やはり老舗のゲームメーカーというプライドもあると思います。CPI広告は出し先であるメディアを広告主が選べないという側面もあるため、記事として出される部分はちゃんと管理というか見ておきたいという感覚がある気がします。メーカーからすればアプリは自分たちの大事な商品ですからね。

 

その証拠というほどではないかもしれませんが、カプコンは広報さんから結構小まめにメディアを呼んでのゲーム発表・体験会を開いたり、リリースの際はかなり小まめに連絡をくれたりします。

 

うちの様な弱小なうえに個人にまで成り下がってしまったサイトにまで丁寧に連絡をくれて毎度頭が下がります。(※むしろあんまりこちらが対応できず、本当に申し訳ありません…)

 

広報さんから連絡を頂いて載せる場合などは、ある意味でこちらに掲載可否の主導権があるわけではありますが、やはり連絡をくれたりアプリの丁寧な説明があれば掲載率はグッと上がります。

 

そういう意味でカプコンはシステマチックなアフィリエイト広告にお金をかけない分、旧来の広報からの足(?)を使った情報の頒布に力を入れているのではないかと思います。

 

KONAMI

 

コナミはなんというか説明し辛いのですが、一応CPIを出してはいるんですが、そこまで熱心ではないのかな?という印象。

 

出すタイミングや数もゲームに合わせて、という感じはあまりしないので、単純に社内的な広告費の割り振りと、その時のタイミングでCPI広告を出しているという感じなのかな位。あまりサンプルも多くないのでなかなか判断が付きづらいところです。

 

ただバナー系の広告は適宜見かけるので、どちらかというとWeb以前の所謂実物の貼り広告が主体で、それと同じ感覚でWebにはバナーという形で広告を出している、という感じなのかもしれません。

 

フォワードワークス(SONY

 

フォワードワークスというとあまり聞き慣れないかもしれませんが、超ざっくり言うとSONYの完全子会社でスマホアプリ展開のために作られた会社です。

 

ただここはまだアプリ出して1年ちょいくらいなので、今はとにかく色々と試しているという感じですね。とはいえCPI広告もアプリによっては出してきているので、おそらく今後タイトルとタイミング次第だとは思いますが、お世話になることがあるかもしれません。というよりどれもビッグタイトルなので期待してます。

 

任天堂

 

CPI広告は自分が見た限り未展開。もうお待ちしてまっせとしか。めっちゃお待ちしてまっせ。

 

というわけで、とりあえずざっと書き出してみると以上です。

 

一部の視点ではありますが、こういうところからメーカーの広告展開の姿勢や予算なんかが少し見えてくると、各メーカーはアプリにどうやって力いれるのかな?みたいなところがうすらぼんやり見えてきたりします。

 

アプリ業界のごくごく一部のちょろっと裏側のお話でした。